朝の目覚めにコーヒー、午後のリラックスタイムに紅茶。
どちらも私たちの日常に欠かせない飲みものですが、その飲まれ方や感じ方には大きな違いがあります。
ここでは、日本での紅茶とコーヒーの飲用実態や成分の特徴を、最新データに基づいてやさしく解説します。
日本ではどちらがよく飲まれている?
コーヒーは“働く世代の定番”
全日本コーヒー協会の調査によると、日本人が飲むコーヒーの平均は週10杯ほど。
飲む場所は自宅が約7杯/週、職場が約1.5杯/週と、家や仕事の合間に飲まれる傾向が強いようです。
年代別では40代以上が最も多く、男女差はあまりありません。
一日のリズムを作る「習慣」として定着しているのが特徴です。
紅茶は“くつろぎ・リフレッシュ”の象徴
一方、紅茶飲料を「飲む」と回答した人は全体の6割前後。
飲むシーンとしては、おやつや休憩、仕事・勉強の合間など、「一息つく時間」が中心です。
とくに無糖ストレートやミルクティーが人気で、若年層から中高年層まで幅広く親しまれています。
紅茶とコーヒーの成分比較・違い
カフェインの含有量はコーヒーが圧倒的に多い
| 種類 | カフェイン含有量(約200mlあたり) | 
| コーヒー(ドリップ) | 約95〜165mg | 
| 紅茶(ブラック) | 約25〜48mg | 
| 緑茶 | 約25〜29mg | 
コーヒーはカフェイン量が多く、すぐに頭をスッキリさせたいときに選ばれやすい一方、紅茶は緑茶と同様、量が控えめで穏やかな覚醒感をもたらす印象です。
紅茶に含まれる「テアニン」というアミノ酸は、落ち着きや集中をサポートする働きがあるといわれます(※効果には個人差があります)。
紅茶・コーヒーの抗酸化成分「ポリフェノール」は構造・働きが違う
「ポリフェノール」は、植物が自らを紫外線や酸化から守るために作り出す天然化合物の総称です。
紅茶もコーヒーも豊富に含みますが、種類・作用の仕方が異なります。
| 紅茶のポリフェノール | コーヒーのポリフェノール | |
| 主成分 | テアフラビン・テアルビジン | クロロゲン酸 | 
| 香り・味わいへの影響 | 発酵により紅茶特有の深い琥珀色・まろやかで甘い香り・渋みを生む | 焙煎時の分解で香ばしさ・苦味・コクを形成 | 
| 吸収と代謝 | 比較的分子が大きく、腸内細菌を介してゆっくり吸収される | 分子が小さく、比較的早く吸収・代謝される | 
| 抗酸化性 | 強い抗酸化活性が報告され、特に脂質酸化の抑制などの実験結果が多い | 高い抗酸化能を持つが、焙煎度によって変化 | 
| 消化・脂質 | 一部研究で脂質吸収を穏やかにする作用の可能性 | 糖吸収・血糖上昇の緩和作用が示唆される | 
| 精神的な体感 | テアニンと相まって、穏やかな集中・リラックスをサポート | カフェインと相乗して、即効的な覚醒・集中をサポート | 
紅茶とコーヒー、どちらもポリフェノールを豊富に含む飲みものですが、その性質はまったく異なります。
コーヒーの「クロロゲン酸」は瞬発的に頭を冴えさせ、香ばしい苦味を生み出す成分。
紅茶の「テアフラビン」「テアルビジン」は発酵によって生まれ、穏やかな甘みと落ち着いた香りをつくり出します。
どちらも魅力的ですが、“日々の安らぎとバランス”を求めるなら、紅茶の方がよりやさしい選択といえるでしょう。
身体にも心にも、ゆるやかに寄り添う一杯です。
紅茶・コーヒーの飲み方・人気層・ライフスタイルの違い
コーヒーが似合う時間と紅茶が似合う時間は、一般的な印象が異なります。
コーヒーの香ばしい香りは、前向きに動き出すスイッチのような存在。
例えば、コーヒーが似合うのは仕事前や集中したいとき、街中のカフェでパソコンを開く瞬間などが似合います。
一方、紅茶は気持ちをゆるめる時間や人とのつながりを象徴する飲みもの。
例えば、お気に入りのカップでひと息つく午後だったり、誰かと語らうティータイムだったり。
ここでは、紅茶・コーヒーと人の関係性を見ていきましょう。
紅茶とコーヒーは飲み方で変わる印象
| シーン | おすすめの飲みもの | 理由 | 
| 「朝いちばんにシャキッとしたい!」 | コーヒー | カフェイン量が多く、眠気をスッキリさせやすい(※空腹時は注意が必要) | 
| 「会議や勉強中に集中したい!」 | 紅茶 | テアニンによる穏やかな集中感が期待できる | 
| 「夜リラックスしたい」 | ハーブティー/デカフェ紅茶 | カフェインが少なく、寝る前にも安心 | 
コーヒーを選ぶ人の傾向
日本ではデータによると、1週間あたり平均 約10杯程度のコーヒーを飲む人が多く、自宅での飲用が最も多く、次に職場・学校だそうです。
年代としては40代以上が比較的多めで、男女差はあまり大きくないという報告も。
コーヒーを好む人のライフスタイルとしては、例えば「朝の目覚め」「仕事に入る前のスイッチ」「作業中の集中タイム」など、傾向があります。
また、カフェや喫茶での“ひと息”時間としても定番であり、缶コーヒーやテイクアウトなど外出先でも構えることなく手に入れる手段が多様であることも人気の理由といえるでしょう。
紅茶を選ぶ人の傾向
マイボスコム株式会社の調査によると、紅茶を飲むと答えた人の割合は6割前後で、比較的広く日常的に取り入れられているようです。
飲用シーンとしては「おやつタイム」「くつろぎタイム」「仕事・勉強の合間」などに飲む人が多く、少し時間をゆるめて“落ち着く”場面に選ばれています。
紅茶好きの人の行動・ライフスタイル傾向としては、例えば「ティータイムを意識する」「カップやティー器具にこだわる」「香り・味わい・温度を楽しむ」など、飲む時間そのものを“リラックス”や“癒し”として捉える人が多い傾向です。
また、ミルクティー・ストレート・フレーバーティーなど“飲み方の幅”が広いことも、趣味性・選択の豊かさに繋がっています。
紅茶とコーヒーの健康面でのメリット・デメリット
コーヒのメリット・デメリット
【コーヒーのメリット】
- 九州大学医学部の研究によると、コーヒー消費と総死亡・心血管疾患死亡との逆関連が報告されています。たとえば、1日1杯程度のコーヒー飲用で死亡リスクが低めだったという報告もあります。
 - 女性の食生活と健康に関する三世代研究研究会によると、コーヒーを多めに飲む高齢女性で抑うつ症状の頻度が低かったというデータがあります。
 - フランス国立衛生医学研究所の研究によると、「1〜2杯/日」の飲用で胃潰瘍などの疾患リスクが低めという報告もあります(ただし“3杯以上”になると逆にリスク上昇傾向も)。
 
【コーヒーのデメリット・注意点】
- コーヒーにはカフェイン量が比較的多く、「眠りの質」「夜の休息時間」「神経過敏・動悸」などに影響を及ぼす可能性があります。例えば、日本の国民生活センターでは、めまいや心拍数の増加などの可能性を指摘しています。
 - 米国NYを拠点におく女性のヘルス・ライフスタイルメディア「health」によると、コーヒーに含まれるカフェインや濃度、糖・クリームなどの添加物によっては、鉄やミネラルの吸収を妨げる可能性があるそう。例えば、コーヒーと特定の食品の組み合わせで“栄養吸収低下”を懸念する専門家も。
 - 飲みすぎや極端な習慣化、夜遅くの摂取には睡眠障害や疲労残留のリスクがあるため、 「ほどほど・自分の体質を知る」ことが重要です。
 
紅茶のメリット・デメリット
【紅茶のメリット】
- 中国・天津医科大学の研究によると、紅茶(緑茶を含む茶飲料)は「飲用量が多めの人で死亡リスクが低め」「心血管疾患リスクが低め」という報告があります。さらに、コーヒーと紅茶を併用した場合、死亡リスクがさらに低かったという報告も。
 - 紅茶にはテアニン(L-テアニン)や、発酵茶由来のポリフェノール(例:テアフラビン、テアルビジン)などが含まれており、“落ち着き・穏やかな集中”を支える可能性があるとして研究対象にしている学者が多くいます。
 - 飲むシーンにおいて「くつろぎ」「休憩」「語らい」など、心理的・時間的余裕を伴う場面で選ばれやすく、ライフスタイル的な“癒し”や“マインドフルネス”のサポートとして注目されています。
 
【紅茶のデメリット・注意点】
- 紅茶もコーヒー同様、カフェインを含むため、夜間・敏感な体質の場合は“寝つき・休息”に影響を及ぼす可能性があります。
 - Verywellhealth.comによると、紅茶や茶飲料に含まれるタンニンが、非ヘム鉄(植物由来の鉄分など)の吸収を妨げる可能性があるという報告があるそう。
 - 飲みすぎ・濃すぎ・糖分・ミルクなどの添加が多い飲料の場合、糖・脂質・カロリーの観点から「飲むたびに気をつけたい」要素もあります。
 
あなたにとっての“ベストな一杯”を
コーヒーは「活力」、紅茶は「やすらぎ」。
それぞれに違った魅力があり、シーンや気分で選び分けるのが理想です。
ORGANIC LIFEの紅茶シリーズは、そんな“日常のリズム”に寄り添う一杯を目指しています。
朝の一杯でスタートを切りたいとき、夜に気持ちを整えたいとき——
あなたの毎日に、やさしく香る紅茶を届けることが私たちの願いです。